第二期

第一章

「時が経ち戦争は悪化する一方で」

あれから三ヶ月が過ぎた。

この三ヶ月の間に人口惑星HOPESは名前を変えた。

新たなその名前を「アドラメレク」という。

聖書によるとアドラメレクとは元々「座天使」という地位にあった太陽神なのだが、神と魔王ルシファーの戦争があった時にルシファー側に加担して堕天使となった存在なのだそうだ。

しかし彼は太陽神であり何よりも輝く光のような存在なのである。

それを由来としてこの名前がついた。

希望から太陽になったアドラメレクはその名前の通り順調に成長を遂げている。

だが、戦争がなくなったわけではない。

ここ最近はこのアドラメレクにいつでも攻める事のできるように火星の軍勢が近隣の星へと陣をはっている。

緊張に包まれた空気の中で我々は評定を開始した。

「これより評定を開始する。何か意見が有る者は?」

ベルゼブブを憑依させている私「茶倉」はアドラメレクの秩序を守るために軍師をやっている。

私の父親はこの人口惑星アドラメレクの陛下である。

父の志はただひとつ。

この世から戦争を取り除き二度と戦争が起こらない世界にする事である。

何よりも御父様は理不尽な物を一切許さない。

一方的な暴力や言動も断じて許さない。

私もそんな御父様だからこそついていける。

だからこそこの星を守るためのこの評定はしっかりしておかねばならない。

リヒトが先手をとって意見をする。

「敵の陣は月に敷いていると聞いたが間違いないか。」

「ああ、間違いない。」

それを確認したリヒトは手元にある資料を見ながら意見する。

「我々も月に布陣して地上戦に持ち込もう。空中戦となったらこの距離だ。流れ弾がアドラメレクに流れてきたら大騒ぎどころではすまない。だが敵にも軍師という者がいて戦い方を知っているらしい。」

リヒトはクレアに目で訴える。

クレアは今がタイミングだというかのように発言した。

「軍師の名をラジエルといいます。彼女には知らないことがないといわれていてまた軍事事でもその力はかなりのもの。ただの戦争をすればまず敗北は決まりでしょう。」

アドラメレク陛下である戒が資料を見ながら言う。

「なら私はアドラメレクへの奇襲に備えて陣を敷いておこう。私が部隊を指揮する。茶倉、おまえは月に向かってくれないか?」

私が部隊を指揮するという言葉を聞いて思わず私は、

「なりません!!貴方を失えば我々は総崩れなのです!」

御父様はその言葉を聞いて席を立った。

そして、

「私もただの人間ではなくなってしまったのだ。茶倉、おまえにはベルゼブブの力が宿っている。それと同じように私も力が覚醒した。」

「…なんですって?」

「おまえだけではない。あれからここにいるほとんどの者が覚醒している。私は各自の悪魔の名前を聞いて思ったんだ。クレアよ。軍師をやっている者は「ラジエル」と言ったよな?」

クレアは「はい。」と返事をした。

それを聞いてお父様は語り始める。

「ラジエル。神との面会を許された「御前の七天使」の一人。その知識量は天使の中で一番だと言われている。なぜ四大天使ではないのかがわからないが彼らは多分、神の使徒なのだろう。」

神の使徒と聞いて私は食いついた。

「神とは世界を救う存在です。それがなぜこのような事を。」

「人間は罪を重ねてきた。その結果が今の地球であり我々がアドラメレクを作らないといけなくなったのも人間のせいだ。唯一の神の名を「YHVA」というのだが彼はそんな人間を自分でつくり出しておきながら失敗作だと決め付けて地上を滅ぼそうとした。しかし「ルシファー」率いる軍勢が対抗してきたためにとうとう今日までその大業は成し遂げられなかった。今ではどちらが悪魔なのか人間にはわからないだろうな。」

この場にいる私以外の人間はまだ覚醒したばかり。

だからまだ状態が把握できないしまだどう信じて良いのかがわからないのだろう。

よく考えてみろ。

この現実世界で天使に悪魔だ。

普通の人が聞いたら頭がおかしいのではないかと思っても当然であろう。

しかし私には御父様が何を伝えたいのかがはっきりとわかった。

「つまり火星が天界の軍であり我々が魔界の軍だということだ。なかなかしぶとい人間に嫌気がさした神はとうとう使徒をこの世界に送り込んできた。今日まで姿を現さなかったのはこの世の摂理、理論が滅茶苦茶になってしまうから。しかし後々人間が全て滅ぶのなら姿を見せても問題はない。YHVAはとうとう強行突破に踏み込んだ。それに対抗した魔界側は悪魔を送り込んでこれを排除するという選択をした。つまり御父様についた悪魔って・・・・・。まさか!?」

御父様は静かにその口を開いた。

「・・・そう。私がルシファーだ。」

続く